上司や目上の人に年賀状を送る際、書き方に迷われる人も多いでしょう。今回は、上司や目上の人への年賀状の書き方の基本を解説します。手書きで添える気の利いた一言の例文もご紹介しますので、年賀状準備の際にぜひ参考にしてみてください。
目次
上司や取引先に年賀状は出すべき?
年賀状を必ず上司に出さないといけないという決まりはないため、上司に年賀状を送るかどうかは自分で決めて問題ありません。しかし、社会人として日頃の感謝を込めて、年賀状を送ることはよいことです。会社で社員同士の年賀状のやりとりが禁止されていなければ、お互いに気持ちよく仕事を進められる糸口にもなるのでおすすめです。
ビジネスとプライベートは分けたいという人もいるので、年賀状を上司の自宅へ送りたいときなどは事前に確認を取るのが礼儀です。
上司や取引先、目上の方に年賀状を出す際のマナー
会社の上司や取引先に年賀状を送る場合は、ビジネスの年賀状マナーに沿う必要があります。ここでは、押さえておきたいビジネスにおける年賀状マナーについてご紹介します。
元旦に届くように出す
一般的に、年賀状は松の内(関東1月7日、関西1月15日)までに出せばよいとされています。しかし、基本的にビジネスの年賀状は元旦に届くように出すのがマナー。どんなに遅くとも先方の仕事はじめには届くように出しましょう。せっかく年賀状を出したとしても遅れてしまうと失礼な上に悪目立ちしてしまいます。
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2文字以下の賀詞を使わない
対象 | 賀詞 |
上司・取引先 | 謹賀新年・恭賀新年・慶雲昌光・瑞祥新春・敬頌新禧(4文字) |
同僚・部下 | 賀正、迎春、賀春、初春、頌春、年賀(2文字) |
部下 | 寿・福・春・賀・慶・禮(1文字) |
上司や取引先など目上の人には、「謹賀新年」、「恭賀新春」のような4文字の賀詞や「謹んで」もしくは「恭しく」を入れた表現を使います。「寿」「迎春」などの1~2文字の賀詞は略語にあたるため、同僚や部下向けには使用できますが、上司や取引先には適切ではありません。
二重賀詞にしない
賀詞に含まれている内容と同じ内容の文章を一緒に使うことを二重賀詞といいます。例えば「賀正」という賀詞にはすでに「明けましておめでとうございます」という意味が含まれるため、さらに「明けましておめでとうございます」と書いてしまうと二重賀詞となり好ましくありません。市販の年賀状にはすでに「賀正」や「謹賀新年」が印刷されているものも多いため、重複しないよう注意が必要です。
忌み言葉を使わない
縁起の良い年賀状では「忌み言葉」を使わないのがマナーです。例えば、口語としてよく使う「去年」は忌み言葉のひとつです。「去」には退ける、避けるなどの負の意味があるため、「昨年」か「旧年」の表現を使いましょう。他にも、「滅びる」「絶える」「衰える」「失う」といった言葉が忌み言葉に該当します。
句読点は打たない
年賀状に句点「。」や読点「、」は使わないようにしましょう。句読点には、「切る」、「終わる」といった負の意味があるとされ、年賀状では避けるのがマナーです。また、句読点は文章を読みやすくするために生まれたものでもあるため、句読点を使用すること文章が読めない人への配慮という解釈が含まれてしまいます。
マナーを重視するなら縦書きがおすすめ
ビジネスでの年賀状は縦書きがおすすめです。横書きが必ずしも失礼ではないものの、マナーを重視するなら縦書きが無難です。特に、会社の経営陣など立場の高い上司や、マナーを大切にしている人に向けて年賀状を送る時は、日本語の正しい文章形式である縦書きを採用した方がよいでしょう。
落ち着いたデザインを選ぶ
原則としてカラフルで派手なデザインは避け、落ち着いたものを選びます。また、特別に付き合いが深く、家族ぐるみで親しい関係である場合を除いて、写真入りのデザインは避けましょう。上司に敬意を抱いていることが伝わる、ベーシックでやや古典的なデザインがおすすめです。
手書きの言葉を添えると好印象
上司や親しくしている取引先には、手書きでメッセージを添えることをおすすめします。印刷した挨拶文だけだと、「みんなに一律で出している年賀状である」といったネガティブな印象を与えかねません。
書き損じた際に、間違えた文字に修正ペンなどを使用するのはマナー違反。丁寧に最初から書き直しましょう。
近況報告をメインにしない
上司や取引先に送る年賀状に、結婚や出産などの近況報告をメインで書くのはマナー違反です。年賀状は新年の挨拶を意図とするものなので、個人的な出来事は別の機会で改めて報告しましょう。
住所は本人に直接尋ねる
年賀状を送る予定の上司には、直接尋ねて住所を確認しましょう。人を介して個人情報を得るのは失礼に当たるだけでなく、まちがった情報を得てしまう可能性もあります。仕事とプライベートを区別したい人の中には、自宅に年賀状を送って欲しくない人もいるかもしれません。事前に年賀状送付の承諾もかねて確認しておくことが大切です。
上司や取引先、目上の方へ送る年賀状の文例
上司や取引先へ送る年賀状で、活用できる便利な一言をご紹介します。年頭のあいさつは、展望が開ける内容や、丁寧さが伝わると好印象につながります。
無難に使える!定型メッセ―ジ文例
謹賀新年 旧年中は格別のご指導を賜りありがとうございました まだまだ至らぬ点も多いですが 今年はさらなる飛躍の年となるよう 精一杯努力いたします 本年も変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう お願い申し上げます 令和六年 元旦 |
謹んで初春のお慶びを申し上げます 旧年中は格別なお引き立てを賜り 心より御礼申し上げます 本年も社員一丸となって さらなるサービス向上に精励する所存です 貴社のさらなるご繁栄と皆様のご多幸を心から祈念いたしております 令和六年 元旦 |
会社の上司宛
挨拶・お礼
・旧年中はご指導ご鞭撻賜りありがとうございました ・昨年は未熟な私に温かいアドバイスをいただきましたこと心より感謝申し上げます ・昨年は○○さんのお力添えのおかげで大きな実りの年になりました |
新年の抱負
・本年はご期待に沿えるよう精一杯頑張ります ・まだまだ至らぬ点があるとは存じますが技術向上に精進する所存です ・本年はより一層業務に専念してまいります |
相手を思う祈り・今後のお付き合いのお願い
・まだまだ寒い日が続きますのでご自愛ください ・至らぬ点があるかと存じますが今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます ・本年も相変わらずのご指導賜りますようよろしくお願いいたします |
取引先宛
挨拶・お礼
・旧年中は格別のお引き立てを賜り誠にありがとうございました ・旧年中はひとかたならぬご愛顧にあずかり心から御礼申し上げます ・昨年はおかげさまで事業が軌道にのり貴社のご支援の賜物と社員一同感謝いたしております |
目上の人宛
・大変ご無沙汰しておりますが お元気でご活躍のことと存じます ・本年の同窓会で お目にかかれることを心待ちにしております ・寒さ厳しき折 くれぐれもご自愛ください |
新年の抱負
・本年も皆様のお役に立てるよう更なる努力をもってご厚情にお応えしていく所存でございます ・本年はより一層の発展をめざし商品開発にも注力してまいります ・昨年以上の成果を成し遂げられるようサービスの向上に努めてまいります |
相手を思う祈り・今後のお付き合いのお願い
・御社の益々のご発展とご多幸をお祈り申し上げております ・貴社のご繁栄と皆様のご健勝を祈念いたします ・今後とも変わらぬお付き合いを賜りますようお願いいたします |
上司や取引先、目上の方への宛名の正しい書き方
上司や取引先へ送る年賀状の宛名書きを解説します。ビジネスシーンでは基本の宛名書きに関するルールがありますので、知っておくと便利です。
1.住所の書き方
相手の住所は年賀はがきの右端から1.5cm内側、もしくは1行分空けて書き始めます。都道府県から省略せずに書きましょう。番地や部屋番号などの数字には漢数字を使います。
改行が必要な場合は、番地の途中は避け、キリの良い建物名からにしましょう。改2行目の頭は1行目より一文字分下げます。なるべく2行以内におさめるように書きましょう。
2.会社名・部署名の書き方
会社名は、住所の頭と同じ高さか1文字分下げて書きます。途中で改行せず、必ず一行におさめるようにしましょう。「株式会社」「有限会社」なども略さずに書きます。
部署名は会社名の下に一文字分空けて続けて書きます。長い場合には改行して構いませんが、二行目は一行目と頭の高さは揃えましょう。
3.氏名・敬称の書き方
氏名は、はがきの中央に住所よりも大きい文字で書きます。
敬称は、個人に送る場合には「様」、会社や部署など団体宛てであれば「御中」を使いましょう。「部長様」「課長様」というように役職に「様」をつけないよう注意しましょう。
4.役職(肩書き)の書き方
役職は氏名の上に小さい文字で書くのが一般的です。役職名が長い場合は、名前の前の行に小さい文字で書くようにしましょう。肩書きが複数ある場合は並べて記載します。
同じ会社の上司の自宅へ送る場合、宛名に会社名や役職を書く必要はありません。
5.差出人の住所・氏名の書き方
差出人の住所・氏名は、送り先の住所や宛名よりも小さい字で書きます。いわゆる切手部分の下の空間に入るように書くとレイアウトとして美しく見えるでしょう。
ただし、差出人の住所・氏名を裏面に記載する場合は、表面(宛名面)に改めて書く必要はありません。
会社の上司や取引先、目上の方に送る年賀状の正しい書き方やマナーを知っておこう
何かと気になることが多い、上司や取引先、目上の方へ送るビジネス向けの年賀状についてご紹介してきました。肩書や敬称など、一般向けの年賀状と書き方が異なる部分もあるため、相手に失礼にならないよう、マナーをよく確認しておきましょう。
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