
年賀状の書き方には基本のマナーがあります。今回は、知っておくと役に立つ年賀状の基本の書き方や宛名別の書き方などをたくさんの例文を用いて解説します。参考になる例文もご紹介しますので、年賀状に活用してみてください。
目次
デザイン面(裏面)の基本の書き方
年賀状のデザイン面(裏面)には、賀詞、お礼などの挨拶文のほか、年号と日付、添え書き(一言メッセージ)が入ります。
基本的な年賀状の書き方を知っておくと、デザインされたテンプレートを選ぶ際にも役立ちますので、しっかり確認しておきましょう。

1.賀詞の書き方
賀詞とは、祝いの言葉という意味で、年賀状においては「寿」や「謹賀新年」のような新年を祝う言葉を指します。賀詞は、挨拶文、年号と日付よりも大きく書きます。
2.お礼などの挨拶文の書き方
お礼などの挨拶文には、昨年お世話になったことへのお礼や、相手の発展を願う言葉、近況を含めた言葉などを書きます。
3.年号と日付の書き方
挨拶文の後に、新年の年号と日付を記載します。日付は書いた日付ではなく、「元日」や「元旦」と書きます。年賀状の配達が1月1日を過ぎてしまう場合は、「令和4年 正月」などと書きます。
4.添え書きの書き方
一言でまとまる添え書きを加えてみましょう。近況報告や今年の抱負など相手に親近感が伝わるメッセージがよいです。定型文が印刷された年賀状にひと手間加えることで丁寧な印象に。
▼あわせてご覧ください
宛名面(表面)の基本の書き方
年賀状の表面にあたる宛名面の書き方を解説します。数字の書き方にも特徴がありますのでよく知っておくとよいでしょう。

1.宛先の書き方
先方の宛名は、手書きでも印刷でも、礼儀的には問題ありません。ただし、どちらの場合も相手先の住所を省略するのは控えて、都道府県から書きましょう。
¬宛先の丁目、番地といった数字を書くときは、縦書きなら一、二などの漢数字を、横書きなら1、2などのアラビア数字(算用数字)を使います。
なお、年賀状の宛名面は、縦書きで書くのが基本的なマナーです。建物名などがアルファベットの場合は、アルファベットをそのまま縦に並べて書きましょう。
2.敬称・肩書の書き方
・「敬称」は差出人からみて相手がどのような関係であるかを表します。また、「肩書き」は会社や組織の中での社会的地位を示します。個人であれば「様」が基本であり、学校の先生や恩師であれば、「先生」も敬称として使えます。団体であれば「御中」と書きましょう。
団体に所属している個人宛てなら、団体名に「御中」はつけず、個人名の最後に敬称をつけましょう。
【宛先別の敬称のつけ方】 ・個人宛:「様」 ・複数宛:それぞれのお名前ごとに「様」をつける ・学校の先生や恩師:「先生」 ・会社や部署宛:「御中」 ・会社名の後の個人名:会社名の後に敬称はつけず、個人名の後に「様」をつける ・肩書の後の個人名:企業の役職などの肩書に敬称はつけず、個人名の後に「様」をつける ・スタッフ一同を入れたい場合:個人名とスタッフご一同の後にそれぞれ「様」をつける |
3.差出人名、住所
切手幅か郵便番号枠幅内に収めましょう。また、宛先よりも文字が大きくならないようにしましょう。また、差出人名が多かったり、「住所が変わった」「家族が増えた」など、知らせたい情報があったりして、長くなりそうなときは、デザイン面だけに記載しても構いません。
4. 朱書きの書き方
市販の年賀はがきは、切手の下に朱色で書かれた「年賀」という朱書きがあります。朱書きがなければ年賀状とみなされず、普通郵便として元旦よりも早く届いてしまいます。ポストカードなどで年賀状を作る場合は、自分で「年賀」の朱書きを必ず入れましょう。
友達へ書く場合
友達への年賀状の書き方は、相手との関係性や親近感によっても変わるでしょう。新年の挨拶として「Happy New Year」や「賀正」、「明けましておめでとうございます」などの賀詞が一般的によく使用されます。
年賀状に選ぶ写真やイラストは、基本的に干支がモチーフになったカジュアルなデザインが好まれます。家族ぐるみで付き合いがある場合、世帯主を右端に記載し配偶者、子供の順で宛名を記載します。
先生へ送る場合の書き方
先生宛に年賀状の宛名を書く場合は、「先生」「様」のどちらもよいです。ただし「先生様」は二重敬称となるため避けましょう。現役や引退を問わず宛名は「先生」で問題ありません。園や学校の住所で先生へ年賀状を送る場合は特に「先生」と記載するのが適当です。
新年の挨拶では、日ごろの感謝を込めた内容と、今後のご指導に関するお願いを一言加えると、丁寧でマナーのよい年賀状になります。年賀状の写真には、現役の担任であれば子供の写真を載せることをおすすめします。先生側で他の子供と混ざりにくくなり丁寧です。また恩師へは、自身の近況報告を兼ねて現状がわかる写真を送ると喜ばれるでしょう。
上司へ送る場合の書き方
上司へ送る年賀状の宛名の住所は、マンション名やビル名は省略せず、すべて記載します。上司の名前に役職をつける必要はありませんが、基本的に住所よりも大きく書くのが礼儀です。また年賀状の裏面が横のデザインであっても、宛名面は縦書きで記載することも覚えておきましょう。
上司への挨拶では、「寿」「賀正」といった2文字以下の賀詞は避け、「謹賀新年」「恭賀新春」などのような省略しない文言を選びます。年賀状を選ぶ際は、風景や干支が印刷されたデザインが一般的ですが、家族ぐるみでお付き合いのあるような関係の上司には家族の写真入りを送っても構いません。
家族宛に送る場合の書き方
家族宛で苗字が同じ場合は、世帯主、配偶者、子供の順番で名前を書きます。同じ苗字の場合2人目以降の苗字は省きます。なお、子供が複数人いるケースでは年齢が上の順から右側にくるように記載するのが一般的です。家族への年賀状は、基本的に親しみや感謝、健康や成功の願いを込めた内容のものが多く、デザインもカジュアルなものがよいでしょう。
遠方で会う機会の少ない親戚や兄弟を含め、家族単位で付き合いのある方々には、近況がよくわかる写真付き年賀状が喜ばれるでしょう。子供からの一言や今年の抱負、嬉しい報告なども年賀状に記しておくと新年にふさわしいご挨拶になります。
■家族宛に送る場合の宛先の書き方例


ビジネスで送る場合の書き方
ビジネスで年賀状を送る場合、会社名は決して省略してはいけません。株式会社や合同会社など短縮せず、社名の前後のどちらについているかも正しく記載する必要があります。敬称は会社名であれば「御中」、個人名であれば「様」がつくのがルールです。弁護士や医師など職業での敬称が「先生」の場合は、年賀状に「先生」と記載する場合もあります。
また、部署名や役職は、変わる可能性がありますので、あらかじめ確認しておきましょう。ビジネスにおける年賀状は、人脈のつながりやお互いの繁栄を願う意味もあります。会社のオリジナルデザインを用いることで、事業の向上意識が伝えられます。
■ビジネスで送る場合の宛先の書き方例

会社宛てに送る場合

複数名(連名)に送る場合の書き方
家族ぐるみの付き合いがある家庭へ複数名で年賀状を送る場合は、夫婦連名、家族名連名で宛名を書くことが可能です。書き方は前述の家族への宛名の通り、世帯主を一番右にあとは配偶者、子供の順に連名で記載します。
企業向けの場合は、たとえ同じ部署内であっても連名で年賀状を送るのはマナー違反にあたります。企業への年賀状は、「部署名御中」「企業名御中」として敬称を記載するのが正しい書き方です。また、個人的にお世話になった方への挨拶として年賀状を送る場合は、企業全体や部署ごとでは伝わりにくいため、個別に個人名で送るのが丁寧でしょう。
年賀状の書き方で、よくある間違い
続いては、年賀状の書き方で、よくある間違いを4つご紹介します。知らず知らずのうちに恥ずかしい年賀状を書いてしまわないように、しっかり確認しておきましょう。
NG例1 新年あけましておめでとうございます
「新年」は年が明けるという意味ですから、「あけまして」と同じ意味です。そのため、「新年あけましておめでとうございます」では、同じことの繰り返しになってしまうのです。正しくは、「新年おめでとうございます」あるいは「あけましておめでとうございます」と表現します。
なお、「謹賀新年」と「あけましておめでとうございます」も表現が違うだけで、同じ意味となりますので、一緒に書かないようにしましょう。
NG例2 A HAPPY NEW YEAR
英語で賀詞を書く場合、「A」は必要ありません。「HAPPY BIRTHDAY」と同じように「HAPPY NEW YEAR」と書きましょう。ただし、文章中に使う場合の表現は、「I wish you a Happy New Year」となり、「a」が入りますのでご注意ください。
NG例3 令和五年一月一日 元旦
「令和五年一月一日 元旦」と書くと、元旦は本来1月1日の朝という意味ですので、重複表現になります。「令和5年 元旦」あるいは「2023年1月1日」のように、日付と元旦、どちらかひとつだけを記載するようにしましょう。
NG例4 去年はお世話になりました。
一般的に、前年のことは「去年」といいます。しかし、「去」という字は、よくないことが連想される忌み言葉のため、新年にはふさわしくないとされています。そのため、年賀状の文面では「旧年」や「昨年」を使用しましょう。
また、お祝いの文章には、区切りを示す「、」や「。」といった句読点は打ちません。読みにくい場合は、文章の区切りで改行したり、スペースを空けたりするといいでしょう。
年賀状の文面は、マナーを守り、送る相手に合わせて作成しよう
年賀状は新年のご挨拶ですから、相手に失礼のないよう、宛名も文面も送る相手に合わせて、丁寧に作成しましょう。また、年賀状は祝い事にあたるため、一般的な手紙とは異なるマナーがありますから、書き方にも注意が必要です。文面や宛名のマナーやルールに不安がある場合は、年賀状のテンプレートや印刷サービスを利用するのがおすすめです。
カメラのキタムラでは、豊富な文例やデザインサンプルから選べる「年賀状印刷」のほか、「年賀状の宛名印刷」も承っています。宛名印刷では、年賀状ソフトの住所録データからの変換のほか、これまでの年賀状からのデータ取り込みも行えるため、年賀状にかかる手間が大幅に省けます。
年賀状作成を手軽に、かつ美しく仕上げるカメラのキタムラの年賀状サービスを、ぜひご活用ください。