上司や取引先など礼儀をつくすべき方々へ送る年賀状は、特にマナーやルールに気をつけなければいけません。失礼にあたらないように、正しい書き方や注意点を知っておきましょう。
ここでは、礼儀をつくすべき方々へ送る年賀状のマナーに加え、会社の上司、取引先、士業の方と、送り先の立場別に年賀状を書く際のポイントと文例をご紹介します。
目次
礼儀をつくすべき方へ年賀状を出すときに気をつけるポイント
目上の方や取引先などに年賀状を出す際には、失礼にあたらないよう細かいところまで気を配る必要があります。まずは、礼儀をつくすべき方に出す年賀状について、届くべき時期や正しい書き方のほか、文面に使うべき賀詞、フォーマルに見えるデザインなどを確認していきましょう。
年賀状はできる限り元旦に着くように送る
年賀状は、通常1月1日~7日の松の内までに届くように送れば良いとされていますが、やはり元旦に届くのが丁寧だといえるでしょう。目上の方や取引先への年賀状であれば、なおさらです。
年賀状を元旦に届けてもらうためには、12月25日までに年賀状用の投函口へ投函する必要があります。その後でも元旦に届けてもらえる可能性はありますが、確実に間に合わせるためには、25日までに年賀状を投函しておいたほうが安心です。
年賀状は縦書きで書く
日本語は本来縦書きですから、年賀状も縦書きにしましょう。親しい間柄であれば横書きの年賀状を出すこともありますが、目上の方へは、縦書きにするようにしてください。書き慣れない場合は、鉛筆で薄く下書きをしてから書くと安心です。インクが完全に乾いてから、下書きを丁寧に消して投函してください。
年賀状では賀詞に気をつける
礼儀をつくすべき方に出す年賀状は、「迎春」「寿」といった賀詞を使うと失礼にあたります。「謹」「恭」といった、謙譲表現が含まれる賀詞を使いましょう。
特に、年賀状のテンプレートを利用する場合、賀詞に気をつけずに選ぶと、礼儀をつくすべき方にふさわしくない年賀状を送ってしまう可能性があります。賀詞の選び方には十分注意してください。
特に気をつけたい賀詞について、OK例とNG例をまとめました。
<礼儀をつくすべき方に対してOKな賀詞の例>
・謹賀新年
・恭賀新年
・謹んで新年のお慶びを申し上げます
・謹んで年頭の御祝詞を申し上げます
<礼儀をつくすべき方に対してNGな賀詞の例>
・寿
・賀正
・新春
・迎春
年賀状のデザインに気をつける
カジュアルなデザインの年賀状は、礼儀をつくすべき方への挨拶には適しません。なるべくフォーマルなデザインの年賀状を選びましょう。
印刷会社や年賀状サービスを展開しているカメラ店などのテンプレート集などでは、フォーマルな年賀状のデザインも用意されています。礼儀をつくすべき方への年賀状選びには、そのようなサービスを活用するのもおすすめです。
ただし、販売会社によっては、比較的ポップなものや横書きのものを「フォーマル向け」としているケースもあります。正しい年賀状を選べるよう、使用OKな賀詞の例をご確認いただき、マナーに則った年賀状を送ってください。
会社の上司に送る際の年賀状のマナーと文例
会社の上司は、礼儀をつくすべき方の中でも、特に関わりの深い相手です。日頃から接する機会も多いため、テンプレートのような挨拶にとどまらず、自分の気持ちを伝える言葉を織り交ぜた年賀状を出すのがおすすめです。
具体的には、日々の指導のお礼や、今後のお力添えを依頼する言葉、将来の目標などを書くといいでしょう。実際の書き方は相手との関係性にもよりますが、「昨年は●●の件で大変お世話になりました」といった、やや砕けた文体で書くこともできます。具体的な例を挙げることで、感謝の気持ちを伝えやすくなるはずです。
<会社の上司へ送る年賀状の文例>
謹んで新春の寿ぎを申し上げます
旧年中は公私にわたり温かいご指導ご鞭撻をいただき ありがとうございました
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます
令和4年 元旦
なお、会社の上司といえども、近年では住所を知ることができないケースもあります。個人情報にあたるため、会社の住所データなどを無断で閲覧・転記したり、別の部署の社員に聞いたりするのはやめたほうが賢明です。会社の上司に年賀状を出したいのであれば、ご本人にその旨を伝えた上で、住所を聞いてください。
取引先に送る際の年賀状のマナーと文例
取引先への年賀状は、一般的に自分の会社から出すケースが多いはずです。総務部などが取りまとめて出すことになっているのなら、あらかじめ依頼をしておきましょう。なお、取引先の担当者が2人以上いる場合でも、宛先を連名にして出すのは避けてください。それぞれの方へ個別に送るか、1枚にまとめるのであれば部署宛に送るのがマナーです。
取引先に送る年賀状の文面は、総務部が一括して決める場合が多いかもしれません。一般的には、先方の発展を願う言葉を入れるという特徴があります。手書きで一言を書き添える場合は、先方担当者とのエピソードなどを書くのがおすすめです。
<取引先に送る年賀状の文例>
恭賀新年
昨年中は格別のご厚情にあずかり誠にありがとうございました
本年も変わらぬご愛顧のほどお願いいたします
皆様のご健康とご繁栄を心よりお祈り申し上げます
令和4年 元旦
士業の方へ送る際の年賀状のマナーと文例
会社が取引をしている弁護士や会計士、税理士など、士業の方に送る年賀状には、必ずお礼の言葉を添えましょう。
また、普段「●●先生」という敬称でお呼びしている場合でも、年賀状の宛先は「様」とします。「●●会計事務所 会計士 ●●様」と書いてください。「●●会計事務所 ●●先生」という宛名は不適切です。
ただし、年賀状の裏面の文面にお名前を入れる場合は、「●●先生」と書いても問題ありません。
<士業の方へ送る年賀状の文例>
謹賀新年
昨年は何かとお力添えをいただきましてありがとうございました
輝かしい新年を迎え●●先生の益々のご発展をお祈り申し上げます
令和4年 元旦
▼併せてご覧ください
年賀状のマナーとは?宛名や賀詞の書き方を例文付きで解説
礼儀をつくすべき方への年賀状は早めの準備を
礼儀をつくすべき方へ出す年賀状は、マナーに十分注意し、確実に元旦に届くように送るのが基本です。また、フォーマルなデザインの年賀状テンプレートを使うと、マナー違反となってしまう可能性が下がります。
カメラのキタムラでは、フォーマル向けの年賀状テンプレートや、文例集を多数用意しています。先方の立場に応じて文面を変えることもできますので、ぜひご活用ください。
併せて、便利な宛名印刷も承っています。住所や氏名の書き間違いは大変な失礼にあたりますから、印刷サービスも活用しながら年賀状の準備を進めましょう。