喪中はがきは、新年のおめでたい挨拶を控える旨を伝えるためのものです。出す予定だけど、「具体的には何を書くのか、いつ出すのかわからない」という方のために、喪中はがきの書き方を徹底解説します。基本的なルールやマナー、書き方や例文、注意点まで解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
喪中はがきとは?基本的なルールやマナー
喪中はがきとは、喪中のために新年のおめでたい挨拶を控える旨を伝える手紙です。訃報を知らせることが目的ではなく、単に「こちらからは新年の挨拶や年賀状を控えます」という意思を伝えることを目的とします。そのため、喪中はがきは、相手が喪中のときにも出す場合があります。
喪中はがきを出すのは、通常は二親等まで(配偶者、親、義父母、子、子の配偶者、兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者、祖父母、孫)に不幸があったときです。しかし、三親等以上でも個人を追悼したいときは喪に服し、喪中はがきを送るケースもあります。
また亡くなった方と本人との関係性によって、喪中とされる期間も変わっていきます。一般的な服喪期間は以下をご覧ください。
服喪期間 | 本人との関係 |
12~13ヶ月 | 配偶者、親、義父母、子、子の配偶者(一親等) |
3~6ヶ月 | 兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者、祖父母、孫(二親等) |
喪中はがきは、不幸があったときではなく、年末に出すのが一般的です。相手が年賀状の準備を始める前の、11月~12月上旬に出すとよいでしょう。
喪中はがきに書く内容と文例
喪中はがきでは、伝えたい事柄すべてをシンプルにまとめることが必要です。含めるべきポイントを紹介します。
喪中により年賀欠礼する旨
まずは、喪中のために年賀状や新年の挨拶を控えることを簡潔に伝えます。おめでたい言葉である「年賀」は使わず、「新年」や「年頭」「年始」などを使うようにしましょう。
文例
喪中につき 年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます |
故人の名前と命日
次に喪中である理由を説明します。故人の名前と書き手から見た続柄、亡くなった日と享年(亡くなったときの年齢)について記載しましょう。なお、享年は数え年で記載するのが一般的です。
文例
祖母○○(名前)が九月八日に九十五歳で永眠いたしました |
感謝の言葉
これまでの故人とのお付き合いに対して、感謝の言葉を述べます。ただし、はがきを受け取る方が故人と面識がない場合は、感謝の言葉は省略しても問題ありません。
文例
生前に賜りましたご厚情に心より御礼申し上げます |
結びの挨拶
最後に結びの挨拶です。今後のお付き合いのお願いや、喪中はがきを受け取る相手の健康を祈る言葉を記載してください。
文例
|
喪中はがきを出す日付
喪中はがきを出す日付を記載しますが、年号と月のみで問題ありません。
なお、日付は投函日に関係なく12月と記すのがマナーとされています。しかし、11月に受け取ったのに12月と記載されていると、相手が混乱してしまうかもしれません。投函日に合わせて11月もしくは12月と記載するようにしましょう。
文例
令和〇年十一月 |
差出人の名前・住所・電話番号
差出人の郵便番号と住所、名前、電話番号を記載します。はがきの表面に記載するときは左下、裏面に記載するときは文面の最後に配置するようにしてください。
文例
〒100-0000 東京都〇〇区〇〇町〇-〇 高橋 〇〇 〇子 電話番号:03-0000-0000 |
喪中はがきの書き方に関する注意点
喪中はがきの書き方を間違えると、相手に対し無礼な印象を与えてしまう可能性があります。ここでは、喪中はがきを記載するときの書き方のマナーをお伝えするので、以下6つのポイントをしっかり押さえておきましょう。
・縦書きにする ・前文を省略する ・行頭の一字下げをしない ・句読点を使わない ・数字は漢数字で表記する ・華美なデザインは避ける |
喪中はがきは縦書きにするのが一般的です。縦書きが書きづらいと感じるときは、印刷業者に依頼するか、パソコンで自作しましょう。
喪中はがきでは時候の挨拶などの前文を記載しません。また、行頭は一字下げずに、句読点を使わずに書いてください。享年や日付は漢数字で表記しますが(85歳の場合は「八十五歳」)、郵便番号や住所は読みやすいように算用数字を使っても問題ありません。
文字は薄墨色がよいとされていますが、あまり濃くなければ黒も可能です。イラストが描いてあるはがきを使うときは、喪中にふさわしい落ち着いたデザインを選びましょう。
【状況別】喪中はがきの文例
喪中はがきは欠礼を連絡するはがきのため、長々と記載する必要はありません。状況別に文例を紹介します。
葬儀を済ませている場合
すでに葬儀が終わっている場合は、葬儀が終わった報告と、通知が遅くなったお詫びを記載するようにしてください。また、香典を辞退するときは、その旨も記載します。
文例
喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただきます 本年九月に祖母〇〇が九十五歳で永眠いたしました 故人の遺志もあり 葬儀は身内で執り行いました ご通知が遅れましたことを深くお詫び申し上げます 生前賜りましたご厚情に深く感謝いたします なお 時節柄ご自愛のほどお祈り申し上げます 令和○○年十二月 差出人名前・住所・電話番号 |
故人が複数いる場合
故人が複数いる場合は、まとめて喪中はがきに記載しても問題ありません。亡くなった順に続柄と名前を明記し、受け取る相手が混乱しないように記載します。
文例
喪中につき年末年始のご挨拶を失礼させていただきます 本年六月に祖父〇〇が九十八歳にて 十月に祖母〇〇が九十五歳にて永眠いたしました 生前のご厚情に感謝いたしますとともに 明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます 令和○○年十二月 差出人名前・住所・電話番号 |
喪中はがきに故人の情報を書きたくない場合
故人についての情報を書きたくないときは、喪中である旨だけを伝えても問題ありません。新年の挨拶を控えることと、差出人の情報のみをシンプルに記載しましょう。
文例
喪中につき 年末年始のご挨拶は差し控えさせていただきます 令和○○年十二月 差出人名前・住所・電話番号 |
年賀状を受け取りたい旨を伝えたい場合
喪中でも、年賀状を受け取ってはいけないわけではありません。年賀状は出さないけれども受け取りたいときは、その旨も喪中はがきに含めましょう。相手の心情に配慮した一言を添えると、さらに心のこもった文章に仕上がります。
文例
新年のご挨拶にかえて 祖母〇〇が九月に九十五歳で永眠いたしました 新年のご挨拶は失礼させていただきますが 年賀状がないお正月は寂しさが募ります 皆様からの年賀状は 通年通り楽しみにしております 寒さ厳しい折 どうぞお身体をご自愛くださいませ 令和○○年十二月 差出人名前・住所・電話番号 |
故人や本人がクリスチャンの場合
故人がクリスチャンであったときや、差出人がクリスチャンのときは、「天に召されました」や「天寿を全うしました」などの表現を用いることが一般的です。
文例
本年九月 〇〇が主の御許に召されました 年末年始のご挨拶を失礼させていただきます 皆様におかれましては よき年が訪れますようお祈り申し上げます 令和○○年十二月 差出人名前・住所・電話番号 |
喪中はがきに添え書きしてもいい?
喪中はがきは服喪中であることと、新年のご挨拶を欠礼することを伝える手紙のため、基本的には添え書きは不要です。しかし、マナー違反というわけではないため、相手によっては添え書きをしても問題ありません。
ただし、添え書きの内容には注意が必要です。おめでたい事柄、たとえば結婚や出産などがあったとしても、喪中はがきのなかでは報告しないようにしてください。
喪中のとき、年賀状はどうする?
喪中はがきの基本マナーについて詳しくはこちら
喪中はがきの投函が間に合わない場合はどうする?
喪中はがきは、相手が年賀状の準備を始める12月上旬までに出すことがマナーです。しかし、12月中旬以降に身内に不幸が生じたり、忙しさのあまり投函が遅れてしまったりすることもあるかもしれません。
12月上旬までに投函できないときは、寒い季節に相手の健康を気遣う挨拶状「寒中見舞い」を送るようにしてください。寒中見舞いは松の内(関東は1月1日~7日、関西は1月1日~15日が一般的)が終わった後、立春(2月4日頃)までに送ります。
服喪中のため新年の挨拶を控えたこと、喪中を知らせるのが遅れたことのお詫び、年賀状のお礼、相手の健康を気遣う言葉の4つを含めて書きましょう。
喪中はがきで親しい人々に礼を尽くそう
服喪中に新年を迎えるときは、喪中はがきを送り、年末年始の挨拶を控える旨を伝えるようにしましょう。喪中はがきは11月~12月上旬に送ることが一般的です。寒いなかでも健康で過ごしてほしいという一文を加え、相手への気遣いを示すようにしてください。
喪中はがきの書き方は、それぞれの状況によって異なります。どのような状況でも、はがきや切手の選び方、文中で使う表現には十分に気を遣って作成しましょう。本記事で紹介した文例を、ぜひ参考にしてみてください。
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