旧来より、喪に服す期間中は、晴れがましいことや派手なことを慎むべきとされ、たとえば、結婚やお祝い事を避けたり、遠方への旅行を控えたりされてきました。
しかし、最近は四十九日法要を終え、忌中が明けるのをひと区切りとして、旅行に行ったり、結婚式へ出席される方も多くなってきています。
結婚式へ出席される際は、念のため先方へ喪中である旨を伝え、お伺いを立てましょう。
ゆるやかになってきているとはいえ、神道では死を穢れ(けがれ)として、遠ざける考え方があることから、神社への参拝は控えたほうが良いでしょう。
初詣などで、毎年神社に行っているという方でも、喪中の間は控えるのが一般的です。
ただし、神社への考え方は人それぞれで、四十九日法要や五十日祭などを終えて、忌が開けた段階で、通常どおり参拝して良いという考え方もあります。
また、お正月を迎えて新年を祝うことも、晴れがましいことにあたりますので、喪中の期間は、正月行事を行わないのが通例です。おせちを食べたり、しめ縄や門松を飾ったりすることを控えましょう。
とはいえ、喪中とは関係のない年間行事もあります。
たとえば、お中元やお歳暮など、季節のごあいさつやお礼に関することは、通常どおり行いますし、仏教では穢れという考え方をしないため、お盆やお彼岸で、お寺へお参りに行くことも問題ありません。
人付き合いに関することと仏教行事は、例年通り行えると覚えておくと良いでしょう。
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喪中はがきのよくある勘違い
喪中はがきは本来、喪中であることを知らせる「訃報通知」ではなく、年賀欠礼をお詫びする挨拶状です。 この部分を勘違いしてしまうことで、かえって失礼にあたるケースがありますので、注意しましょう。
葬儀に参列していただいた方は、こちらが喪中であることを知っているので必要ない
喪中はがきが年賀欠礼の挨拶状だという意味を考えると、たとえ先方が葬儀に参列された方で、こちらが喪中であることを知っていたとしても、喪中はがきをお出しすることがマナーであることが分かります。
基本的に、自分が普段年賀状のやりとりをしている方や、故人が年賀状のやりとりをしていた方には、お出しするようにしましょう。
わざわざ訃報を知らせるのも気がひけるので、喪中はがきを出さないほうがいい
喪中はがきは、喪中を知らせるものではありません。
確かに近年では、家族葬の割合が高くなり、お葬式が小規模化していることから、喪中はがきで初めて訃報をお知らせするというケースも増えています。 しかし、年賀欠礼という本来の意味を考えたとき、喪中はがきを出さないほうが良いケースはほとんど無いと言っても良いでしょう。
また、不幸があったことを知らずに年賀状を出してしまうなど、先方に心苦しい思いをさせてしまうことを避けるために、前もって喪中はがきでご挨拶することが大切なのではないでしょうか。
先方が喪中の場合、お悔やみごとが重なってしまうため、喪中はがきを出さないほうがいい
お悔やみごとに関しては、重ね言葉を避けたりするなどで「二重にならない」というしきたりがあります。
しかし、喪中はがきは年賀欠礼の挨拶状ですから、喪中の家庭同士が双方で喪中はがきを用意することは礼儀に適っており、全く問題ありません。
どうしても気になるという方は、寒中見舞いをお出しすると良いでしょう。